2回目はタイでコンドミニアムを探す時のポイントで、日本と慣習が異なるところを中心に説明します。とはいってもすべての条件を満足する部屋はないので、個人の生活スタイルによって譲れるところと譲れないところを事前に整理することをお勧めします。
今回もタイの一般的な不動産事情として説明しますが、交渉事項は最終的にオーナー次第になります。
コンドミニアム全般
特に戸惑うことはないと思いますが、季節需要については留意されたほうがいいと思います。
契約期間
コンドミニアムの契約期間は1年が基本で、何もなければ1年以降も契約が自動更新されます。オーナーとの交渉によって数ヶ月からの短期契約も可能ですが、家賃は割高になります。
オーナにもよりますが、1年未満の解約はデポジットが戻ってこないケースが多く、1年以降であれば1ヶ月前の通知で円満に転居できます。
季節
パタヤは冬の避暑地として中期滞在する人も多いので、季節によって居住者数が大きく違います。そのため、4月から9月にコンドミニアムを借りると家賃が安く(交渉がしやすい)なる傾向があります。
パタヤのコンドミニアム事情は近年過剰供給気味なので、オーナー側は閑散期に借り主を探すのが悩みになっています。
部屋の種類
部屋の種類はワンルームをスタジオと呼び、1ベッドルーム、2ベッドルームと順に広くなっていきます。部屋の広さはsqm(スクエアメーター:平米)で表示されます。
部屋には家具、家電、簡易キッチンがついており、日用品を購入するだけで生活できます。
単身者であればスタジオか1ルームが狙い目で、私はエアコンの効率を考えて30平米程度の1ルームをターゲットにしました。
築年数
私が何軒かを内見した限り、建築後5年くらいまでなら十分新しく、建築後10年を過ぎると少し古さを感じる物件が多かったです。築10年を超えても十分住めますが、部屋、家具、電気製品の老朽化は目立つようになります。タイの住宅はトラブルが多く、古くてもあまり家賃が安くならないので、なるべく新しい物件を選ぶほうがいいように思います。
陽当り、階層
日本では南向きの陽当りのいい部屋が人気ですが、タイでは北向きの日の当たらない部屋が人気です。また、最上階の部屋も暑いのが理由であまり好まれないようですが、陽当り、階層についてはあまり家賃に反映されていないようです。
ただし、ビーチフロントのオーシャンビューの部屋はグッと割高になります。北欧やロシアなど冬が厳しく海がない国の人にとっては、海が見える部屋は日本人以上にプレミアム間が高く感じるようです。
立地
パタヤの場合は単純でビーチに近いほど高く、サードロードを堺に少しずつ家賃が低くなります。パタヤの具体的なエリアについては次回に説明します。
費用
コンドミニアム入居時にはデポジット2ヶ月+家賃1ヶ月を払うのが標準的です。それ以外のランニングコストは電気、水道、WiFi代などで、月に2千-4千バーツくらい必要です。
家賃の価格帯
ざっくりですがパタヤの単身者用のコンドミニアムは家賃1万バーツくらいからあり、1.5万バーツで選べる選択肢が増え、2万バーツあればよりどりみどりといったところです。但し、パタヤ中心部で1万バーツは厳しく、1.2万バーツくらいからになります。
オーナーにもよりますが交渉により家賃は5-10%くらいディスカウント可能なことが多いようです。
デポジット
コンドミニアムを借りるときには2ヶ月のデポジットと1ヶ月の家賃を前払いで支払うのが一般的です。不動産会社を介しても敷金や礼金はなく、コンドミニアムの共益費、保険、修理積立金もオーナー側が負担します。
デポジットは契約満了後なら、清掃費(千バーツ程度)と電気・水道代の日割り料金が引かれるくらいで、大部分が戻ってくるケースが多いです。
電気代、水道代、WiFi代
家賃に含まれないランニングコストは電気代と水道代です。電気代は電力使用量により千バーツから3千バーツくらいを払うケースが多いようです。水道代は使っても月に数百バーツなのであまり気にする必要がありません。
なお、WiFiがついている部屋とそうでない部屋があるので、内見時に確認が必要です。WiFiがない場合は個人でインターネットプロバイダーと契約(月額600バーツ程度)する必要があります。WiFi設置の初期工事費とルーターレンタルが無料になる代わりに、1年縛りになるケースが多くなっています。
騒音
タイは基本的に騒音には寛大というか無頓着な国なので、静かな生活をしたい方は特にご留意ください。騒音から完全に逃れる方法はなく最終的には運次第ですが、入居時までに確認できることは行ったほうがいいと思います。
タイ人
タイ人は一般的にマイペース(近くで暮らすと疲れます)で夜中だろうがおかまいなしにうるさい人が多くおります。特に庶民の住む低価格帯のアパートには、深夜にうるさい住民(バービア、マッサージ嬢など)が多い傾向にあります。
家族連れから逃れるにはスタジオや1ベッドルームなどの狭い部屋を選び、うるさい庶民から逃れるにはある程度の家賃(1万バーツ以上)の部屋を選ぶことにより、ある程度は回避できます。
ツーリスト
ブログには書きにくいのですが、ツーリストも長期滞在者からはあまりウェルカムではありません。日本人も含めて10人に1人はかならず訳の分からない人はおり、日替しのホテルなどはなるべく敬遠したいところです。
中長期契約のコンドミニアムであれば、ツーリストからある程度の回避はできますが、最近はAirbnbなどの民泊での短期滞在性もいます。タイでは1ヶ月未満の民泊は禁止されていますが、実際にはいたるところで横行しているのでご留意ください。
バービア、クラブ、ライブバーなど
タイは夜遅くまで大音量で音楽を撒き散らすバービアなどがたくさんあり、周りの迷惑をかえりみず、周辺に深夜まで騒音を撒き散らします。
コンドミニアムの下見は昼間だけでなく、夜も近くに騒音源がないか確認することをお勧めします。また、これまで静かだった住宅街が突如としてして騒々しくなることもよくあるので、コンドミニアム購入の際には十分留意ください。
野外コンサート
パタヤには月に数回の頻度で深夜2時ごろまで屋外コンサートを行う場所が何箇所かあります。普段は平穏な空き地ですが、突如として騒音源になるところもあります。
部屋の構造
部屋の構造も日本に比べると防音対策が不十分なコンドミニアムが多くなります。特に入り口ドア下に隙間が空いていることが多く、廊下からの話し声がよく聞こえます。他にも壁の薄さや排水音や工事が問題になることもあります。
その他
タイ特有の住宅事情として洪水や犬などにもご注意ください。
洪水
タイは排水システムが脆弱で、低地にある道路はしょっちゅう水に浸かります。たいてい1時間もすれば回復しますが、コンドミニアムに帰れなくなることもあるのでご注意ください。
見分け方として建物の入り口部分が階段で3-4段嵩上げしているところは洪水します。
犬
タイで治安については心配はあまりしなくてもいいと思いますが、放し飼いの犬や野犬がたくさんいます。狂犬病の心配はないと思いますが、細いソイにあるコンドミニアムは犬に吠えられることがよくあります。
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